近畿大学附属広島高等学校・中学校福山校 鳥生浩紀先生
生徒が「できていること」に注目するように心がけたら発問しやすくなった!
近畿大学附属広島高等学校・中学校福山校では、全教員対象に「評価を使って学びを支援!ゼロから学ぶ評価理論と実践」研修を導入しました。専門的な知識を持った講師による研修を受講することで、現在の教育評価を振り返り、さらに生徒たちの学びを支援できるような評価へと見直すことで、先生にも生徒にも変化が出てきたことを実感しています。
先生の声
かねてより新学習指導要領に対応する評価観を教員全員が一律に身につけるには、校内の一部教員による研修のみでは難しいと考えておりました。こちらの研修を知り、専門的な知識を持った講師に適切な研修を行って頂く方が効果的であると判断したのが、研修を実施した大きな理由です。
現在行っている「教育評価」が本校の生徒に合った適切なものであるか、これからの教育に対応できるものであるかをこの機会に個々人で振り返り、必要に応じて見直す機会となることを期待していました。
研修を受けて、多くの教員の印象に残ったのは、まず「学習者が安心して間違えられるか」という点でした。昨今、間違えることを恐れて、考えることよりもまずは覚えこむことを優先する生徒が増えたように感じていたことから、生徒が生き生きと学習活動に取り組めるような評価方法を検討する必要があると感じた教員も多くいました。
さらに、ルーブリック評価についても「できない」という否定的なものではなく「できる」という肯定的なものにすべきという基本的なところの理解が深まったように感じます。
研修後は、生徒が「できていること」に注目するように心がけたら発問しやすくなったなど教員たちにも変化が現れています。例えば、思考を必要とする課題に対して、友人のものを参考にして提出した場合に「提出できるようになったこと」を評価するように考え方を変えた先生がいました。その結果、生徒たちも授業時間内に課題を出す努力をするようになり、さらに以前より教員とコミュニケーションを取ろうという姿勢も見られるようになりました。
また、従来行っていた「ルーブリック評価表」を見直して肯定的な文章表現にするよう改定した、評価をするとき、「動詞」を用いることで差異をつけることを意識するようになり、その中で「できること」に着目するようになったなど、評価表などに関しても変化が現れています。
研修を通して、多くの教員が生徒が「できる」という評価が基本であるということを実感し、それを学校で実践することでまさに研修名のように評価を使って生徒たちの学びを支援できていることを感じています。
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