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執筆者の写真Yoshihiro Sakagami

元淡路市教育委員会 部長  西岡 正雄 先生

更新日:10月8日

 

現 淡路市立北淡中学校 校長

元淡路市教育委員会 部長  西岡 正雄 先生 エデュテクノロジー ケーススタディ


 H24年に淡路市で教育のICT化を推進する活動を「フロンティアプロジェクト」という名称で立ち上げました。


その年にApple社が教育現場でのICT活用の推進活動として、大きなイベントを開催しており、その担当をしていたのが阪上さんでした。


そして、阪上さんが独立されて、エデュテクノロジーを立ち上げてからも、教育ICTコンサルタント、アドバイザーとして、フロンティアプロジェクトに参加して頂きました。



 多くの端末を一度に導入する際、入札における仕様書を作成する必要があるのですが、その内容が非常に重要になります。


タブレットなら何でもいいですよとなると数限りない選択になりますが、事前調査を行った結果、私どもはiPadが最適だと結論付けていました。

その上で、Apple社などとは記載せず、iPadを導入したい意図がわかるようなスペックなどの仕様化は、我々だけではとても難しい作業でした。


そこで阪上さんに力を借り、他社デバイスと比較してのiPadの特性や強みを明確化するなど、仕様書作成をお手伝い頂きました。

その他、教職員への研修なども行って頂きました。




 また、阪上さんには様々な分野で活躍されている方々とのパイプ作りをして頂いたのが非常に大きかったと思っています。


例えば、大学の先生にお話をして頂くというケースにおいても、本当に良い方で、且つストライクゾーンど真ん中に直球で投げてくれる先生でないと、教員たちが食いつかなくなってしまいます。


そういった所を阪上さんはよくご存じで、素晴らしい先生を紹介してくださり、プロジェクトをスムーズに進めてくれました。

この道を、この人たちと辿っていけば大丈夫なんだということを、阪上さんには教えて頂いたと思っております。

また、当時は大阪市が教育ICTにおいて先駆者的な存在でしたが、阪上さんはその大阪市ともプロジェクトをされていたので、先駆事例として大阪市の情報提供などもして頂きました。



 フロンティアプロジェクトがスタートした時は、導入端末がたった55台でした。

それがH30年には、淡路市の小学4年生から中学3年生までに約3000台、一人一台端末導入を達成しました。

そこまでの土台づくりを阪上さんにはお手伝い頂きました。


我々はプロジェクト推進に対して、教育のICT化に意欲のある教員を集め、そこからICTの裾野を広めるという研修員制度を設けました。

阪上さんには講師として、研修員の教員たちに、教育現場にICTを導入するメリットなどを説明頂きました。

また、淡路市とApple社を繋ぎ、Apple社の教育プラットフォームを提供して頂いたりもしました。



 阪上さんの良い所は、いいものはどんどん使いましょうと提言してくれるところだと思います。

Apple社で働いていたバックボーンを持ちながら、中立的な立場でGoogleなど他メーカー製品も踏まえてICT環境に関しての推薦や、ナビゲーターとして適切な助言をしてくださいます。

こうして、より速く、より良い道を通ってゴールに辿り着くための進め方を教えて頂きました。



 フロンティアプロジェクトは、H26年に「タブレット推進事業」と名前を変えて5年間継続し、今はさらに名前を「学びのイノベーション事業」として、「生徒一人一台タブレット」を活用し、授業を変革していこうと進めています。


阪上さんには継続的にプロジェクトをお手伝い頂いており、最近では産官学のプロジェクトを推進しましょうという提言をして頂き、新たな形で協力してもらっております。


 


 教育委員会や地方自治体の中には、私などは良い道があればそちらへ走ってしまう方ですが、石橋を叩いても渡らないタイプの方もいらっしゃいます。

そういった部分で、阪上さんのような民間業者と一緒に事業を進めるためには、夢の共有が大事になってくると思います。


夢を持たずただ“業務”として捉えてしまうと、着実性が求められるようになるので新しい考えを取り入れるのが難しくなってくるかと思います。

世界情勢や教育の変革に合わせて、夢を持ち、可能性を感じるということが非常に大切になってきます。


教育現場にテクノロジーが入ることで、こんな変革が起こりますよ、子供たちがこんなに幸せになっていきますよといった具体的なイメージができれば良いのですが、なかなか短期間で見える形になるわけではないので、行政が継続的に語り続けなければいけないと思います。

そのためには刺激が必要で、阪上さんのような民間で頑張っている方で、教育に対する夢を語ることができる、夢を共有できる方が身近にいるということは、非常に大きな刺激になります。



 私は学校教育課長という立場にありながら、今の教育は壊さなければいけないと思っております。

明治時代から続いてきた学校の在り方は壊さなければいけないと。

教員の話を聞くばかりでなく、一人一台タブレットを持って学ぶということは、生徒たちが自立して学ぶための礎になると思います。


なので、教員たちにタブレットを渡すのではなく、まず生徒たちに渡すということが自立的な学習者になるための大事な一歩だと考えます。

詰め込み式ではなく、学習の本来の在り方に立ち返って、生徒も教員も事象を探究していく授業を実現したいと思っています。


 阪上さんは、歯に衣着せずに、こうあるべきだと述べてくれる所が良いところかと思います。

刃(やいば)のような切れ味の鋭さを今後更に磨いて頂き、その研ぎ澄まされた刃で教育業界の現状を滅多斬りにして頂きたいと思います。そして、更なる教育への夢を研ぎ澄まして、今後も我々を助けて頂ければと思っております。


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